しまぶくの家 ~変形敷地に建つ家~

 

 

アプローチ・玄関

列柱のような長い壁(30m!)に誘われてアプローチすると、
円形のナーが迎えてくれる。
ゲートをくぐり、円形広場(ナー)に立つと、
離れになったアシャギと、
生活空間の母屋が園の中心から放射状に配置されていることに気づく。

 

 

 

 

アシャギ(離れ)・デッキをみる

2つの棟をつなぐのは深い陰を落すアマハジであり、
外部の居間としてのデッキである。
アシャギの屋根は、
平瓦で段上に茸かれた円錐型の赤い屋根。
隣地の大木の緑と共に、空の青へとそびえている。
母屋の片流れの屋根も空へと伸び、
吹抜けと2層の空間を内包する。
2つの屋根の間にはビールテラスと名付けられた空間が置かれ、
2つの屋根と共に変化あるスカイラインを形成する。

 

 

 

内部空間

 

 

 

 

外部空間

ルーフテラスから円形広場を見返すと、
これらのすべての空間が円形広場の中心に向かっていることを再確認し、
アプローチした長い壁の存在を、
広場と近くの小公園の空間との関係性の中で知る。
変形(旗状)した土地を建築化していく楽しみ?を味わうことができた。

 

 

 

 

 

 

 

最初にお会いした時に「こんな土地でもいいですか?」と遠慮がちに話していた、
クライアントの完成後の満足そうな顔を見ると安心するのである。

 

先日、クライアントの友人たちと共にユイマール(相互扶助)の精神のもと、
ナーの芝張りやアプローチの石積み作業が行われた。
「芝の張り方は、あくまでも円の中心から放射状に」というこだわり様で、
それぞれがナーや石積みを眺めては、自分たちの手が残る仕上がりに大満足。
みんなで協力し合った作業のあと、デッキはさっそく宴の舞台となった。
施主の家づくりへの思いがかたちとなった、温もりあふれる住いとなった。